高分子微粒子合成
高分子微粒子は溶液の粘度の制御、合成の簡便さ等の利点から工業的に広く使用されており、塗料、接着剤、コーティング剤など様々な用途に用いられています。近年、合成された高分子微粒子はさらなる機能化によって医療や生体材料、化粧品等の工業化学分野へ用いることに関心が高まっています。
当研究室では高分子合成化学、物理化学、界面化学を駆使し、新奇機能性高分子微粒子の設計、合成、評価を行っております。
*ミセルおよび不均一系重合における精密重合の開発と応用
水中、ミセル重合、乳化重合、分散重合、ミニエマルジョン重合等、不均一系重合に関する研究を行っています。最近では、水系不均一重合におけるリビングラジカル重合に展開を図っており、ブロック共重合体や星型高分子からなる新奇な高性能複合微粒子の合成を行っています。
図1.ブロックコポリマーミセルの形成
*機能性着色ナノ高分子微粒子の合成とフルカラー電子ペーパーの開発
次世代の低消費電力ディスプレーのひとつとして期待されている電子ペーパーへの応用を目指した高分子微粒子の作製に関する研究を行っております。 シリコンオイルなどの低誘電率媒体中で長時間安定に存在する高屈折率な高分子微粒子を合成し、電気泳動方式の電子ペーパーに必要な白色帯電粒子を開発しました。現在ではより安価な白色微粒子およびフルカラー化に向けた(Y,M,C) 帯電性カラー微粒子の合成やデバイス化への研究を行っています。
図2.フルカラー電子ペーパー用微粒子の作製手法
Written by Masazi Saito